和牛のお話
最高級和牛の革を使ったグローブ!?
革素材は基本的に食肉用に飼育された動物から採られるもので、食肉加工の際に出たものを利用しています。したがって食用とされる動物にはたいてい革素材が存在します。
例えば高級和牛たちも例外ではありません!
中でも最高級のブランド肉である松坂牛や神戸牛!こちらももちろん「松坂牛革」や「神戸牛革」が存在します。しかし肉に比べ革素材として高級和牛は実際のところ、革素材として利用されることは多くないようです。
その理由の一つは牛自体の身体が小さいことがあげられます。そのため素材として効率がよくありません。つまり革を採る効率が悪いと言うことです。
食肉でメジャーな欧米産のアンガス種やヘレフォード種はバカでかいですから比べるまでもありませんね!
そしてもう一つの問題は、肉と同様に皮膚にも脂が大量に含まれていること。なんと、普通の牛の3倍も含まれているのだそうです。
高級和牛は”サシ”という脂肪が多く含まれ、高品質の和牛ほどいわゆる”霜降り”といわれるように肉全体にきめ細かく脂が含まれます。この脂が肉の部分だけでなく皮膚にも多く含まれるため加工が難しいとされています。
このために高級和牛の原皮は鞣すことが非常に難しいそうです。
しかし鞣し技術の向上によって最近では高品質の「松坂牛革」を使用した小物などが製品化されているようです。松阪牛の頭数は多くはありませんのでやはり高価なものになっているみたいですが。確かに営業職の方が松坂牛の名刺入れなんかを使っていると挨拶の時ネタとして使えるのかもしれませんね!
今後はプレミアム思考の顧客を対象に松坂牛使用のグローブや神戸牛使用のグローブが現れたりするのでしょうかね!?
ちなみに国産牛と和牛ってなんだか似ていますが実はイコールではありません。
国産牛は日本で3ヶ月以上にわたって肥育された牛のことを言います。
そのため、出生地が日本でなくてもいいのです。国産牛かどうかは、肥育された場所と期間のみで判断されるので牛の出生地や品種は問題とならないのです。
それに対して和牛は日本独自の基準で交配、肥育された4品種の牛のみが和牛として認められています。その4種類とは、黒毛和種(くろげわしゅ)、褐毛和種(あかげわしゅ)、無角和種(むかくわしゅ)、日本短角種(にほんたんかくしゅ)の純血個体のことを指します。
日本の和牛の代表である松阪牛、神戸牛、前沢牛、米沢牛、近江牛、飛騨牛、宮崎牛・・・など有名なブランド牛のすべては黒毛和種と言っても過言ではありません。
よく聞く”黒毛和牛 ”は 正式には黒毛和種のことで同じです。この品種だけで和牛の9割以上を占めています。英語名ではJapanese Blackと言います。まさに世界に誇る”Japanese Black”です!
意外かもしれませんがこの”黒毛和牛”、舌も黒いです。
この黒い舌は”黒タン”と呼ばれたりもしており高値で取引されているようです!
牛の肉質というのは、飼育環境、飲み水、餌などの違いにより大きく変化し、様々な特徴を持ちます。黒毛和牛も日本全国で肥育が広がり、肥育されるその土地土地によって様々な特徴の肉質を持つ地モノの黒毛和牛が多数存在しているのです。
ちなみに和牛は日本独自の肥育方法とエサによってラクトンと呼ばれる香り成分が大量に含まれています。そのため甘い香りがするのが特徴です。
この甘い香りは加熱調理するとさらに増すので、すき焼きやしゃぶしゃぶにはもってこいなのが和牛です。この香りは「和牛香」と呼ばれたりするほどで外国産にはない独特な特徴となっています。
間も無く2019年も終わります。皆さんはどんな一年でしたか!?
私は一年の締めくくりに是非”和牛”をいただきたいと思います!笑
LR